Department of Physiological Sciences
School of Pharmaceutical Sciences
Wakayama Medical University

研究室概要
Laboratory

沿革

2021年4月:和歌山県立医科大学薬学部の開設に伴い,新潟大学脳研究所より那波教授,難波講師が,和歌山県立医科大学医学部より木口准教授が着任し,研究室がスタートしました.

2023年10月:第一期生の学生が初めて研究室に配属されました.

教育

薬学の基盤生物学を成す人体組織の解剖学(機能形態学),生理学の教育を主に担当しています.機能形態学Ⅰ・Ⅱでは,ヒトの生体システムを構成する臓器・器官の形態構造や構成細胞の機能を知り,いかに臓器が効率的に機能を発揮しているかを学習します.生理学Ⅰ・Ⅱでは,ヒトの生体システムとその相互調節機構を知り,ホメオスタシス(恒常性)の維持機構を個体レベルで理解することで,生物体としてのヒトの成り立ちを習得します.特に臓器・器官ごとにそれらの構造と機能を統合的に理解することで,薬理学,薬物動態学につながる知識基盤を形成できるよう努めています.

研究

聴覚や痛覚を中心に,幻の知覚である幻聴や慢性疼痛の神経科学的なメカニズムを,様々なモデル動物を用いて研究しています.誰もいないのに声が聞こえる幻聴,触ってもいないのに痛みを感じる疼痛はどのように起こっているのでしょうか?この疑問を,最新の光遺伝学や薬理遺伝学を遺伝子改変動物に適用し,分子生物学的,神経生理学的な視点から実験を行っています.その中でも特に,炎症にともなって誘導されるサイトカインや,幻聴や幻覚を誘発し鎮痛作用のあるオピオイドに着目しています.これらの分子が脳や脊髄のどの細胞に作用し,どのような神経ネットワークを活性化しているかを研究することで,統合失調症や慢性疼痛の謎を解明し,その治療薬開発を目指したいと考えています.